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力を合わせて、東北各地の野球熱をさらに高めていきたいです│パ・リーグ球団 仕事図鑑2026 – BEYOND THE SPONSORSHIP

株式会社楽天野球団 × 株式会社やまや

球団×スポンサー企業 プロジェクト担当者 特別対談

プロ野球に欠かすことのできないスポンサー企業。最近では、企業ロゴの掲出にとどまらない、球団とスポンサー企業双方の共通の思いをカタチにした取り組みが増えているという。その舞台裏を担当者に聞いた。

Index

    「力を合わせて、東北各地の野球熱をさらに高めていきたいです」

    氏家 颯俊(うじいえ・そうしゅん)さん
    株式会社楽天野球団
    営業本部 営業第2部 営業第3グループ マネージャー

    株式会社楽天野球団の氏家 颯俊さんは、営業部に所属。身近な事例として、球場内やユニフォームなどで目にする企業ロゴは、営業担当が獲得したスポンサーです。企業にどのように「プロ野球」を活用いただけるかを提案営業するのが仕事です。看板だけでなく、冠協賛試合やシーズンシートなども販売します。球場内の企業広告やブース出展、キャンペーンを行ったりしているのはスポンサーアクティベーションの一例です。

    「以前から、レフトフェンスに社名を出したいと狙っていました」

    佐藤 浩也(さとう・こうや)さん
    株式会社やまや
    代表取締役社長 兼 社長執行役員

    ——まずは自己紹介をお願いします。

    氏家 株式会社楽天野球団の氏家 颯俊と申します。2017年に新卒で球団に入って最初の3年間は年間シートのセールスを担当し、その後スポンサー営業の部署に異動しました。それからずっとやまやさんの担当をさせていただいております。

    佐藤 株式会社やまやの社長をしております佐藤 浩也です。弊社は酒類・食料品を販売する「酒のやまや」が青森県から福岡県まで全国350店舗あり、世界各国からワインやウイスキーなどを輸入しています。毎日「このお酒にはこの食べ物」といったことを考えており、今の仕事が天職だと思って楽しみながら仕事をしています。

    ——もともと野球をしていましたか?

    氏家 私は福島県出身で小学生から野球を始め、小5のときに東北楽天ゴールデンイーグルス(以下:楽天イーグルス)ができたんですね。すぐに楽天イーグルスのファンになり、福島から定期的に応援に行ってプロ野球選手になることを夢見ていました。高校時代にプロになる力がないことを悟ってあきらめましたが、幸運にも大学卒業後に楽天イーグルスに就職できました。

    佐藤 私は小学生のときに仙台のリトルリーグでプレーしていました。野球が大好きで、59歳になった今でも気持ちは野球少年のままです。

    ——現在、やまやはユニフォーム左袖のスポンサーを務めています。どんな経緯で協賛が始まったのでしょうか?

    氏家 やまやさんとのパートナーシップは歴史が長いので、少し話が込み入りますが順番に振り返らせてください。やまやさんに最初に支援をいただいたのは2011年のこと。メセナシート(現ドリームシート)の協賛という形でした。ドリームシートはスポーツ団体や福祉団体、児童・母子福祉施設の方たちを公式戦に招待する制度です。

    佐藤 まだ氏家さんが球団に入る前の話ですね。私もまだ社長ではなく、常務執行役員営業部長でした。大好きなチームに携われ、ワクワクしたのを覚えています。

    氏家 やまやさんはそこから協賛を拡大し、三塁側の給水塔の看板に企業ロゴを掲出し、続いて一塁側の給水塔の看板に掲出されました。

    佐藤 右打者が振り遅れると、一塁側へファウルが飛びやすいんですね。つまり一塁側の給水塔のほうがよくカメラに映る。なので一塁へ移しました。企業として、そこはきちんと効果を測っています(笑)。

    氏家 やまやさんは2013年からレフトのフェンスに企業ロゴを掲出し始めます。楽天イーグルスが球団創設9年目にして初めてパ・リーグで優勝したシーズンですね。楽天イーグルスはそのまま日本一に輝きました。

    佐藤 以前からレフトフェンスの広告をずっと狙っていたんですよ。空いたと聞いて、すぐに手を挙げました。なぜライトではなくレフトなの? 楽天イーグルスのベンチが三塁側にあるからです。当時の監督・星野 仙一氏(※1)が投手交代のときにマウンドへ歩いて行くと、必ずレフトのフェンス広告が映る。「あそこに社名を出したい!」とひそかに燃えていました。

    氏家 そこまで思っていただき、ありがとうございます(笑)。

    佐藤 日本一が決まった日本シリーズ第7戦の9回の出来事が忘れられません。星野監督が投手交代を告げ、大エースの田中 将大選手(※2)がマウンドに歩いて行く姿を今でも鮮明に覚えています。東北人の心がひとつになった瞬間でした。ファンの集いやスポンサーの集いであいさつをよく頼まれるんですが、毎回私は「あの感動をもう1度」と言っています。

    氏家 そして2023年、やまやさんはユニフォーム左袖広告の協賛を始めました。そのシーズンからパ・リーグの規約が緩和され、それまでユニフォームに3社までしか掲出できなかったのが、4社まで掲出できるようになったんです。私は真っ先にやまやさんに声をかけるべきだと考えて、相談させていただいたところ、佐藤社長に快諾をいただけたというわけです。

    きっかけは欧州方式の提案

    ——どうしてやまやに最初に話をしたのでしょうか?

    氏家 実はそれ以前に、協賛の返礼品のひとつとして、やまやさんの企業ロゴを入れた楽天イーグルスのユニフォームをお渡ししていたんですね。ヨーロッパのサッカークラブでよく行われている方式です。その際、佐藤社長と同席していた山内副会長が「いつか実現できたらいいなぁ」とつぶやいたのを覚えていて。それで最初にお話するべきだと思いました。

    佐藤 氏家さんは名営業マンですよ(笑)。その     とおりで、ユニフォーム袖の枠はいつ空くんだろうとずっと思いを寄せていました。ただ、実際に提案を受けたときは「うちでいいの?」と率直に思いました。楽天イーグルス発足時からユニフォーム広告は、私たちにとってずっと手の届かない存在だったからです。メセナシート(現ドリームシート)から始まり、給水塔の小さい看板を経て、レフトフェンス広告にたどり着いた。そしてついにユニフォーム広告までお声がけいただいた。こんな名誉なことはありません。楽天イーグルスの方たちからやまやでいいとおっしゃっていただけるのであれば、ぜひと思いました。

    ——さらにやまやは同じ2023年、東北6県の新小学1年生へ楽天イーグルスキャップをプレゼントする企画への協賛も始めました。キャップ側面にやまやのロゴがあり、後部に入学年が入っているというものです。

    佐藤 やはり氏家さんは優秀な営業でして。ユニフォーム広告という大きな契約を締結して安心していたら、翌日くらいに氏家さんが「実はこんなプランもあります。検討しませんか?」と新たな提案を持ってきたんですよ。「え、もう次のプラン?」と驚きました(笑)。

    氏家 私としてもユニフォーム広告が一段落したらと思っていたので、そのタイミングになってしまいました。即決していただけて良かったです。

    佐藤 もうここまで来たら、えいやと思い…というのは冗談で、東北地方の約6万人(当時)の新1年生全員にキャップを配るのは、野球振興の意味でも素晴らしい企画だと思ったからです。弊社としても子どもたちにやまやになじみを持っていただいておけば、大人になってやまやのロゴを見たときに「そういえば見たことがあるな」と思っていただけるかもしれない。主旨に賛同して協賛させていただきました。

    氏家 キャップの後部に配った年の西暦が入っているので、暗算をすると何年生か分かるんですよね。

    佐藤 そうそう。球場でこのキャップをかぶっている子どもを見かけるたびに、ひそかに暗算をして頭の体操をしています。私の夢は楽天イーグルスが再び日本一になって、優勝パレードでやまやのロゴ入りキャップをかぶった1年生から6年生が行進することなんですよ。

    氏家 やまやのロゴ入りキャップは2026年で4年目。6年生までそろうのにあと3シーズンしか猶予がありませんね(笑)。営業をさらに頑張って資金力を高めることで、チーム強化につなげ、優勝できるよう支えていきたいです。

    佐藤 キャップ協賛には思わぬ効果もありました。弊社の取引先の方たちが、朝のボランティアの交通整理などでこのキャップをかぶったお子さんに会うそうなんですね。「おじさん、この会社と取引しているんだよ」と伝えると、「すごい!」という反応が返ってくるそう。コミュニケーションの道具になっていると聞き、このプロジェクトを支援して良かったと思いました。

    ——ユニフォームに企業ロゴを掲出し始めて、ビジネス的に効果を感じていますか?

    佐藤 仙台以外の地域で変化を感じています。例えば東京で「楽天イーグルスのやまやさんですね」と言われることが多くなってきました。

    氏家 ユニフォーム広告が認知度アップにつながっているということで、営業担当としてすごくうれしいです。

    佐藤 私たちの社員は、東北出身者も含めて全国に散らばっているんですね。彼らがユニフォームの袖やレフトフェンスを見て東北に思いをはせてくれたら、塩釜で生まれた会社の社長としてこれほどうれしいことはありません。

    ——店舗にもプラスの効果がありますか?

    佐藤 もちろんです。例えば楽天イーグルスの本拠地「楽天モバイル 最強パーク宮城」から数百メートルのところに榴岡店があります。野球観戦の前だけでなく、後にも多くの方に来店していただいており、勝ったときは「祝勝するお酒を買いにきた」、負けたときには「明日につなげるためにお酒を買いにきた」という感じで会話をさせていただいています。私たちは店頭でのコミュニケーションを重視しているので、楽天イーグルスの存在がすごく助けになっています。

    東北の野球熱を高めたい

    ——やまやの野球愛が強いことも関係しているかもしれませんが、球団とスポンサーの距離が近いと感じました。

    氏家 楽天イーグルスはスポンサーの方たちだけでなく、ファンの方たちとも距離が近いと思います。選手がスポンサーサービスやファンサービスにすごく協力的で、FA(フリーエージェント)で楽天イーグルスに来た選手がよく驚いているんですよ。

    佐藤 それは私も肌で感じますね。2004年10月に設立された当初は、大阪近鉄バファローズとオリックス・ブルーウェーブから来た選手の混成チームという印象で、まだファンと距離があったと思います。けれど楽天さんがチームカラーをつくり上げていき、選手たちがスター気取りにならず、ファンのために頑張ろうという思いが共有されている印象です。

    氏家 楽天イーグルスのアンバサダー・銀次氏(※3)がやまやさんの店頭に立つ企画もありましたね。

    佐藤 銀次さんに弊社の制服を着ていただき、イベントに出演していただきました。予想以上に多くの方に来ていただいて大好評でした。

    氏家 やまやの方たちは、星野 仙一監督と非常に懇意にされていましたよね。

    佐藤 弊社の副会長が星野監督と親しくさせていただいており、星野監督は弊社を気にかけてくれて、よく会社にお立ち寄りいただきました。すごく光栄だったのは、星野監督が2017年に野球殿堂入りを果たしたときに弊社が記念品を用意させていただいたことです。星野監督は監督として中日ドラゴンズ、阪神タイガース、楽天イーグルスの3球団をリーグ優勝に導きました。それぞれの優勝シーンを刻印したワインを用意することになり、私たちがワイナリーなどと折衝させていただきました。千本単位という大規模なもので、私の中で優勝とともに大切な思い出です。

    ——今後、どんな取り組みをしていきたいですか?

    佐藤 私たちが子どものときに東北勢は甲子園で蚊帳の外でしたが、現在は優勝を狙える強豪校が増えてきました。大谷 翔平選手(※4)を筆頭に、東北から世界的な野球人が出てきています。2025年のドラフト2位で楽天イーグルスに入団した伊藤 樹選手(※5)は、小6時に楽天イーグルスジュニアでプレーしていたことが話題になりました。将来、やまやのロゴ入りキャップを受け取った子どもの中から楽天イーグルスに入団する選手が出てきて、ドラフト後の会見でそのキャップを持参するという光景を見たいです。

    氏家 野球に取り組む子どもたちを増やすことで、地域の活性化に貢献したいです。やまやさんと力を合わせて楽天イーグルスのキャップを配ることもその活動のひとつ。東北各地の野球熱をさらに高めていきたいです。

     

    (※1)星野 仙一(ほしの・せんいち):1947年1月22日、岡山県出身。中日ドラゴンズなどで活躍した元投手・監督。闘志あふれる指導で中日・阪神・楽天を率い、楽天を球団初の日本一へ導いた名将。

    (※2)田中 将大(たなか・まさひろ):1988年11月1日、兵庫県出身。読売ジャイアンツの右腕投手。東北楽天ゴールデンイーグルスで24勝0敗の伝説的シーズンを達成し、MLBでも活躍した日本球界屈指の投手。

    (※3)銀次(ぎんじ):1988年2月24日、岩手県出身。東北楽天ゴールデンイーグルスの元内野手。勝負強い打撃で2013年の日本一に貢献し、引退後は楽天イーグルスのアンバサダーとして球団を支える。

    (※4)大谷 翔平(おおたに・しょうへい):1994年7月5日、岩手県出身。ロサンゼルス・ドジャースの二刀流選手。投打で歴史的な活躍を見せ、MLBでMVPを複数回受賞した世界的スーパースター。

    (※5)伊藤 樹(いとう・たつき):2003年8月24日、秋田県出身。東北楽天ゴールデンイーグルスの右腕投手。2025年ドラフト2位で入団し、安定した制球力を武器に将来の先発候補として期待される若手投手。

     

    楽天イーグルスとやまやが東北の小学生を応援

    楽天イーグルスが「スポーツを通じて東北を元気にしたい」という思いの下、東北6県の新小学1年生に楽天イーグルスキャップをプレゼントし始めたのは2014年のこと。楽天イーグルスは2013年に球団創設9年目にして初のパ・リーグ優勝と日本シリーズ優勝を達成し、さらに東北の人たちに野球と球団を身近に感じてもらえるように翌年にキャップを贈呈するプロジェクトを立ち上げた。各県の教育委員会の協力で、毎年55,000人の新小学1年生にそのときの入学年が刻まれたキャップを配布している。

    そして2023年、酒類や食料品の販売を手掛ける株式会社やまやがユニフォーム袖広告スポンサーになったタイミングで、この活動の支援も開始。同年からやまやのロゴが側面に入ったキャップが配られるようになった。キャップは野外活動といった野球以外のシーンでも使えるため、好評を博している。

    やまやは2011年にスポーツ団体や福祉団体、児童・母子福祉施設の人たちを公式戦に招待するメセナシート(現ドリームシート)の協賛で楽天イーグルスのパートナーになり、それから支援を拡大し続けている。

    2025年には東北6県にある1,691校の新小学1年生55,528人に楽天イーグルスキャップを贈呈した。

    やまやは2013年から楽天イーグルスの本拠地球場のレフト側外野フェンスに企業ロゴを掲出。2023年からユニフォーム袖広告スポンサーも務めている。

    interview & text:木崎伸也
    photo:吉森慎之介

    ※人物の所属および掲載内容は取材当時のものです。

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