dodaのスポーツ求人

大学野球サマーリーグの運営に携わった経験が転機になりました│パ・リーグ球団 仕事図鑑2025 – “六人六色” のキャリアジャーニー

渡辺 皓太さん

福岡ソフトバンクホークス株式会社 事業統括本部 営業本部 第2営業部2課

小学生のころに野球を始め、「野球を仕事にしたい」という夢をかなえるべく、スポーツビジネスを学ぶために大学へ進学した渡辺さん。ゼミで大学野球サマーリーグの運営に関わった経験を活かし、念願の球団職員に。

Index

    渡辺 皓太さん

    福岡ソフトバンクホークス株式会社
    事業統括本部 営業本部 第2営業部2課

    新卒入社

    夢をかなえるために上京

     一般的にプロ野球球団の人材募集は「中途採用」が多いのですが、いくつかの球団は「新卒採用」も行っています。福岡ソフトバンクホークスもそのひとつです。2024年、僕は新卒でソフトバンクホークスに入社しました。

     球団職員になるのは子どものころからの夢でした。小学生のときに野球を始め、当初はプロ野球選手になりたいというあこがれを抱いていましたが、実力的に難しいと感じ、裏方の仕事に興味を持ったんです。小学校の友達には「いつか球団ではたらきたい」と夢を語っていました。

     そのためにはスポーツビジネスの知識を勉強する必要があると考え、生まれ育った新潟県を離れて、東京の拓殖大学へ進学を決めました。スポーツのホームタウン活動を研究している松橋崇史先生(※1)がおり、松橋先生のゼミに入ればチャンスが広がると思ったからです。

     しかし、大学生活の序盤は思い描いた通りには進みませんでした。新型コロナの流行により、入学してから最初の2年間はほとんど大学のキャンパスへ行くことができなかったのです。登校したのは2年間で計3、4回。大学近くのアパートは借りたまま新潟県の実家に戻り、オンラインで授業を受ける日々が続きました。友達もできず、サークルにも入れず、アルバイトもできず、実家のパソコンの前でひたすらコロナが収束するのを待つしかありませんでした。

     希望が見えたのは3年生になってからです。ようやく規制が緩和され、松橋先生のゼミが始まりました。するとすぐに転機が訪れます。松橋先生から「次世代育成を目的にした大学野球サマーリーグの運営をやってみない?」と誘われ、大学野球の大会運営に携わることになったのです。

    ボランティアで大会運営に参加

     大学野球サマーリーグは毎年8月に新潟県三条市を中心に開催される大会で、2015年に始まりました。育成を目的にしているため、選手は大学1、2年生が主体。慶應大学、早稲田大学、明治大学、立教大学、法政大学、拓殖大学などの野球部が出場します。学生主体で運営するのが特徴で、参加大学から約20人が集まり、拓殖大学からは僕を含めて2人が参加しました。

     それはまさに球団職員になったかのような体験でした。スポンサー集めの営業、チケット販売、グッズ制作、自治体との連携、メディアへのはたらきかけなど、2月からみんなで準備を進めます。3年時に加わったときはすでに運営がスタートしていたのでサポート役にすぎませんでしたが、4年時には立ち上げから参加して運営に深くかかわることができました。

     最も思い出深いのは地域とのコラボグッズ企画です。三条市は金物・ステンレスの産地として有名で、僕たちは希望の背番号や文字を刻印できるステンレス製のコップを企画しました。売れ残ったらどうしようとドキドキしていたんですが、うれしいことに完売となりました。

     この経験が就職活動で大きな武器になりました。当初、就職活動はあまりうまくいっていなかったのですが、4年時にサマーリーグ運営に深く携わった経験をエントリーシートでアピールしたところ、応募先企業の反応がよくなりました。

     当時、新卒採用をしていたプロ野球4球団に応募し、ひとつの球団から内定を得ることができました。4年時の6月に担当者から内定の電話がかかってきたときは、部屋の中で涙を流しながらガッツポーズをしました。「ついに夢がかなった!」と。

    一度不合格になったホークスに再挑戦

     ただし、ひとつだけ心残りがありました。不合格になっていたソフトバンクホークスのことが心に引っかかっていたのです。ソフトバンクホークスは12球団の中で事業規模、社員数ともにトップクラスです。もしかしたら追加で募集があるかもしれないと思って公式サイトの採用ページを気にかけていたところ、7月に新卒の追加募集がかかりました。再挑戦で肩の力が抜けていたのがよかったのかもしれません。ダメもとでエントリーしたところ、とんとん拍子に選考が進んで9月に内定をもらうことができました。

     すでに内定をいただいていた球団も魅力的だったので非常に悩みましたが、より幅広い仕事を経験できると思い、ソフトバンクホークスへの就職を決断しました。もうひとつの球団にお断りの連絡を入れるのは大変申し訳なく感じていたのですが、辞退を伝えたところ「試合で対戦するときに会えたらいいですね。あなたなら球団で活躍できるフィールドがたくさんあると思うので頑張ってください」と温かい声をかけていただきました。

     今、ソフトバンクホークスでは法人営業を担当しています。1年目から約50社の既存のスポンサー企業さまの担当を任せてもらい、ものすごくやりがいを感じています。人事制度の関係で3年目以降に他部署へ異動になる可能性もあるので、それまで営業部でどんどんチャレンジをしていきたいと思います。

    (※1)松橋崇史:2004年慶應義塾大学総合政策学部を卒業。2011年、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科博士課程単位取得退学。博士(政策・メディア)。東京工科大学メディア学部助教、拓殖大学商学部准教授を経て、2023年4月より拓殖大学商学部教授。

    MY OWN CAREER JOURNEY

    interview & text:木崎伸也
    photo:吉森慎之介

    ※人物の所属および掲載内容は取材当時のものです。

    Job information by doda

    お仕事情報

    Recruit

    スポーツ関連のピックアップ求人

    求人一覧を見る