dodaのスポーツ求人

マーチャンダイジングは球団経営を支える屋台骨の一つ │パ・リーグ球団 仕事図鑑2024

久田 篤史さん

オリックス・バファローズ 事業本部 MD部 MD販売グループ 主任

パ・リーグ各球団で活躍する球団職員の皆さんに、現在携わっているお仕事内容とそれぞれの転職にまつわる経験談を伺いました。転職理由を掘り下げることで見えてきた、やりがい、情熱、夢…そこには、独自のキャリアストーリーがありました。

Index

    久田 篤史(ひさだ・あつし)さん

    オリックス・バファローズ
    事業本部 MD部
    MD販売グループ 主任

    前職:アパレル業界

    ニーズの読みが腕の見せどころ

     ぼくは京セラドーム大阪2階にあるオリックス・バファローズオフィシャルグッズショップ「Bs SHOP」の店長を務めています。バファローズはパ・リーグ3連覇と、2022年には26年ぶりの日本一といった好成績のおかげで人気が高まり続けており、グッズショップの販売でも期待以上の数字を挙げています。

     開店前から行列ができることも珍しくありません。選手たちをアイドルに見立ててグッズを販売した「Bsオリ姫デー」の初日には、朝7時ごろから列ができ始めました。それを見越してぼくは朝6時に出社、周辺施設に迷惑がかからないよう、警備の方と連絡を取り合いながら列を整理しました。

     2023年3月にWBC強化試合を開催したときには前夜から列ができました。最終的に列が球場をぐるっと取り囲んだほどです。責任者として泊まり込みで対応しました。

     こういうビッグイベントでは列の整理に加えて重要なのが、初日に欠品を出さないことです。2日目以降に在庫がなくなっても理解を得られやすいのですが、初日に売り切れてしまうと並んでいただいた方を失望させてしまいます。ただし、発注し過ぎて在庫が余ると損失を出してしまう。どれくらいの在庫を用意するかは店長の腕の見せどころです。

     「オリ姫デー」クラスのイベントでは売り上げが数億円単位になるので、発注額がかなり大きくなります。グッズ販売といったマーチャンダイジングは球団経営を支える屋台骨の一つ。大きな責任とプレッシャーの下で仕事をさせていただいています。

    バンドマンがアパレル店の店長に

     在庫管理の点で非常に役立っているのが前職の経験です。ぼくは大学時代に友人たちと大阪でバンドを組み、東京でもライブを行い、ぼんやりと「音楽で飯を食べられたらうれしいな」と考えていました。しかし音楽の世界は甘くなく、大学卒業後に家の近くにあった大手アパレルメーカーの店舗でアルバイトを始めました。すると水が合っていたのか2年で正社員に登用され、そこから4年間勤めて最終的に店長になりました。

     あらゆるルールがマニュアル化されている会社だったので、店舗運営のスキルを徹底的に鍛えられました。例えば倉庫では積み上げられた段ボール箱の端がそろっていないといけません。そういう気配りが陳列にも表れるからです。また、チラシが配られたときにお客さまがたくさん来られるので、事前に人気商品の在庫を確保しておくことが求められました。

     アパレルの店長としての仕事をやり切ったと感じ、28歳のときにほかの仕事に挑戦したいと考え始めました。音楽イベントの物販の仕事を探していたところ、転職サイト「doda」でバファローズの求人に出会ったんです。現在「Bs SHOP」の店長として、アパレル時代の経験があらゆる面で活きています。

     アパレルの店舗でも旬の移り変わりが早かったですが、バファローズのグッズショップではそれ以上に早いです。早いときだと2週間で変わります。例えば新しい選手がホームランを打って2、3試合活躍したら問い合わせが殺到するんですね。でもそこで過剰に反応して生産し過ぎてしまうと、店舗に並んだころにはもう1軍にいないということも起こってしまいます。

     判断材料にしているのは選手の実績です。実績がある選手なら調子を落としても復活してくれるはず。販売のチャンスが再び来ると考えて生産数に反映します。

     関西圏という土地柄なのか、バファローズでは「頓宮裕真選手(※)の応援トング」といった面白グッズの人気がすごくあります。商品企画チームがアイデアあふれる商品を次々にプロデュースしてくれるので、その魅力を一人でも多くのファンの方に届けていきたいです。

     

    (※)頓宮 裕真(とんぐう・ゆうま):1996年11月17日生、岡山県出身。2019年オリックス・バファローズにドラフト2位で入団。2023年にパ・リーグの首位打者に輝いた。同年に一塁手部門でベストナインを初受賞。

    interview & text:木崎伸也
    photo:松本昇大

    ※人物の所属および掲載内容は取材当時のものです。

    Job information by doda

    お仕事情報

    Recruit

    スポーツ関連のピックアップ求人

    求人一覧を見る