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つくり手となり知ったグッズのチカラ「一体感と追体験」がキーワード

鈴木 映美さん

シーホース三河株式会社 セールスグループ MDチーム

バスケットボールという競技にも、三河という土地にも無縁の鈴木さんが、思いがけないカタチで出会ったB.LEAGUE(以降、Bリーグ)・シーホース三河のグッズ企画・販売という仕事。最初は単なるモノだと思っていたグッズ。ただ、つくり手になって気付いたのは、アイテム一つひとつにプロスポーツ界を支えるチカラが秘められているということ。そんな新たな気付きを得て鈴木さんに芽生えた目標は、「シーホースを三河のシンボルに」です。

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    シーホース三河公式マスコットのシーホースくんと一緒にインタビューに参加してくれた鈴木さん[写真]渡邉彰太

    スポーツに「詳しくないこと」が武器になる

    ———お隣にいるのはシーホースくんですね。連れ合ってのご参加、ありがとうございます。

    ウチの自慢のマスコットですからね。一人でも多くの方に知っていただきたいので、連れてきちゃいました。見てください、彼の背番号を。100番は「常に100%出し切る」という覚悟の表れです。私も100%出し切るつもりですので、なんでも聞いてください!

    ———ではお言葉に甘えて…、手始めに、ご入社のきっかけを教えてください。

    正直に言いますと、「偶然、たまたま」なんです。今、こうしてこの場にいることなんて、想像すらもしていませんでした。もともとは、アパレル業界でTシャツメーカーで営業職として働いていました。シーホース三河は実は、当時のお得意先だったんです。チームオリジナルTシャツの注文を受けて納品する中で、良好な関係が築けていたのかな~なんて思っています。直接の転機となったのは、前職を退職するときのご挨拶でした。これまでの感謝をお伝えしたところ、「グッズ担当としてウチに来ない?」と、まさかまさかのお誘いが! ちょうどBリーグ参入のタイミングでした。いい機会だし、面白そうだから…ということで、オファーを引き受けました。縁やタイミングって、本当に不思議ですよね。

    ———珍しいいきさつですね! そもそも、バスケに興味はあったのでしょうか?

    …バスケのことは、入社後に学ばせてもらいました(笑)。そして、三河にもゆかりはありません。岐阜県出身ですので。ただ、先入観や固定観念がないぶん、客観的な視点で競技や業界を見据えることができたと思います。そして、それが私の武器だと実感できる場面もたくさんありました。「独り善がりにならないよう、物事を俯瞰的に捉えることを意識する」――これは経験を重ね、知識がついた今でも、いや、今だからこそ心がけていることです。

    ちょっと離れた場所で、不敵な笑みを浮かべながらインタビューを聞いている謎の存在が……!?[写真]渡邉彰太

    「1試合に1つ以上の新商品」が私の戦い

    ———所属するMDチームの役割とお仕事の内容についてお聞かせください。

    私たちMDチームは、グッズにまつわるすべての業務に関わる部署です。商品の企画・販売のみならず、在庫管理、ECサイトの運営、キャラやロゴのロイヤリティに関連する事柄など、入り口から出口まで、幅広い業務を担っています。前職での知識・経験を活かせる部分もありましたが、初めて踏み入る領域が想像以上に多かったので、アルバイトからスタートすることを志願しました。
    暗中模索……、とならなかったのは、先輩たちのおかげです。皆さんの優しさ、温かさに救われて、「ここでなら頑張れる!」と確信を持つことができたので、正式に入社しました。業務領域が広いことに対して、今では一切の不安はなく、むしろ大きなやりがいとして感じています。知れば知るほど、できることが増えれば増えるほど、面白さと奥深さを味わうことができていますね。思い切って飛び込んでみて、本当に良かったです。

    ———日々の充実ぶりと心から仕事を楽しんでいる様子が、ありありと伝わるお言葉ですね!

    やっちゃダメ! なんてことは、基本的にありません。正当性・妥当性があればなんでもやらせてもらえることも、この仕事を好きでい続けられる理由なのかもしれません。そんな会社の風土と、MDチームメンバーのチャレンジ精神が相まってか、シーホース三河では「1試合につき1アイテム以上の新商品を出す」という、暗黙のルール的なものも生まれました。ファンの皆さんも気付いてくれているようで、「今日は何があるのかな~なんて話をしながら、ワクワクした気持ちで売り場に来てるんです!」など、嬉しいお言葉を多数いただけています。試合の開催ごとに新商品を出し続けるのは、根気がいることです。正直、投げ出そうとした日もありました。それでもあきらめることなく、信念を持って継続したのは、ひとりでも多くの方々に喜びや感動をお届けしたいから。フィールドは違っても、選手と同様に、私たちスタッフも戦っているんです。

    『デコ応援うちわ☆コンテスト』など、グッズを通じたファン参加型イベントの実施もMDチームの仕事のひとつ[写真提供]シーホース三河

    グッズは“一体感”と“追体験”

    ———プロスポーツチーム運営の中でグッズはどのような影響を及ぼしているのでしょうか?

    当社はプロスポーツチームの運営会社なので、試合を軸として活動している側面もあります。とはいえ、試合“だけ”にフォーカスした運営では実績が残せないのも事実です。「ファン・スポンサー・選手・スタッフの思いやアクションが相乗効果を生み、結果に結び付く」――それが、プロスポーツの世界の神髄だと思います。表舞台に表れにくい部分も含め、本当に多くの要素が絡み合いながら運営・存続しているんです。その中で、グッズが大きく介在できるのが、感動や興奮の増幅と維持だと考えています。

    ———感動や興奮の増幅と維持、具体的に言いますと?

    “一体感を高めるモノ”と“追体験を促すモノ”、グッズには大きく分けて2つのタイプがあると考えています。“一体感を高めるモノ”としては応援グッズがあります。タオルやメガホン、あとはバスケ観戦ではおなじみのハリセンなどが代表例ですね。一方、“追体験を促すモノ”としては、文具やアクセサリーなど、日常使いできるグッズがメインです。ふとした瞬間に目に留まることで「楽しかったな、また行きたいな」という気持ちが募り、再来場へとつながると考えています。体験や思い出に強く結びつき、印象や記憶の部分にも影響を与えられるのですから、グッズのチカラは絶大です。当事者として関わって、初めて気付くことができました。

    シーホース三河グッズに囲まれてご満悦な謎の存在(タツヲ)。やはり、気分が高まるのは間違いないようだ[写真]渡邉彰太

    シーホースを三河のシンボルに

    ———グッズに関して、Bリーグ特有の話題はありますか?

    同じBリーグ所属チームはもちろん、ほかのプロスポーツ団体のグッズは欠かさずチェックしていますし、それ以外にも、歌手やアイドルなどのエンタメ業界を中心に、グッズに絡んだ事柄には常にアンテナを張っています。他業界の動向を追いかけつつも、あらためてBリーグの状況を見て思うのは、ファン・関係者ともに「コラボレーションを好意的に受け入れてくれる」ということです。業界の垣根を超えたコラボもそうですが、同じBリーグ内でのコラボであっても同様です。特定のチームのファンというより、「Bリーグのファン!」という方が多いのかもしれません。実際、複数チームのファンクラブに加入している方がたくさんいますから。ファンの方々以外でも、各チームのグッズ担当者間で頻繁に情報交換し合うなんてことも日常茶飯事です(笑)。Bリーグに関わる皆さんにいえることは、「コート上ではライバルだけど、同じ競技を愛する同志」ということだと思います。

    ———タツヲのコラボグッズも見かけますが、彼の存在も影響しているのでしょうか?

    おっしゃるとおり、コラボによる新規ファン獲得という点では、タツヲの存在も大きいですね! 彼はシーホース三河の“公式風”マスコットとして加入し、現在は「所属タレント」という位置づけです。大胆不敵、かつコミカルな言動が話題を呼び、Bリーグのマスコットの中では、断トツのSNSフォロワー数を誇っています。その人気の高さと功績が認められ、Bリーグ以外のキャラクターはもちろん、地元の鉄道会社をはじめ、さまざまな企業とのコラボが実現しています。そればかりか、愛知県刈谷市(ホームタウン)の広報大使“見習い”という大役まで仰せつかっているんです。目の前にいるので言いにくいですが…、公式マスコットキャラのシーホースくんより人気があるかも(笑)。シーホース三河とBリーグ、そしてBリーグと他業界をつなぐ架け橋として、今日もまた個性を爆発させながら活動を行ってくれています。

    タツヲのコーポレートパートナー・名鉄イン刈谷とのコラボで実現した「タツヲルーム」。業界の垣根を超えたコラボは、今後も積極的に実施予定とのこと[写真提供]シーホース三河

    ———最後に、シーホース三河の一員としての夢や目標についてお聞かせください。

    地元住民以外で、三河という地名にピンと来る人は、まだまだ少ないかもしれません。私自身もそうでした。だからこそ、「シーホースといえば三河、三河といえばシーホース」と、誰もが認める存在へと押し上げていきたいと考えています。約76年もの歴史、スーパーリーグ(Bリーグの前身リーグ)時代を含めて何度も日本一に輝いた実績、タツヲの存在などなど…、潜在能力は十分にあります。あとは、私たちフロントスタッフを含め、シーホース三河に関わる一人ひとりの手腕や力量次第だと考えています。自分にできることを全力でやり切る、その積み重ねが地名=チーム名の定着の礎になると信じて、これからも活動を続けてまいります。

    シーホース三河の活動を通じて三河の知名度向上とバスケ文化の定着を図るべく、鈴木さんはグッズ制作を続ける[写真]渡邉彰太

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    学生時代はバスケットボールに熱中。「わずかでもスポーツとの接点が持てるなら…」との思いで稲田さんが選んだ最初の職業は、フィットネスジムのインストラクター。今の仕事も楽しい。でも、バスケットボール界へのあこがれも捨てきれない。そんなときに見つけたのがB.LEAGUE(以降、Bリーグ)・シーホース三河のチケット企画・運営の仕事。好きを原動力にしてつかみ取った天職で、一人でも多くの人をBリーグ沼へといざなうためのファーストブレークに挑み続けています。

    interview & text:古田涼/dodaSPORTS編集部
    photo:渡邉彰太

    ※人物の所属および掲載内容は取材当時のものです。

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