dodaのスポーツ求人

スポーツを取り巻く方々を巻きこみ業界活性化を

田口 祐二朗さん

アビームコンサルティング株式会社 P&T Digital ビジネスユニット Sports & Entertainmentセクター シニアマネージャー

大手化粧品会社で営業としてキャリアをスタートさせ、その後、事業企画業務などに携わり、さらに力をつけるべくコンサルティング業界に新天地を見いだした。さまざまな企業の課題解決に取り組み、予期せぬ流れからスポーツ界へとフィールドを広げ、スポーツの持つ大いなる可能性に魅力を感じた。「スポーツ産業を、投資を呼びこめる業界にしていきたい」。

Index

    スポーツくじ『toto/BIG』の戦略策定やマーケティングにも関わる[写真]兼子愼一郎

    ハンズオンでのクライアント支援

    ———現在はどのような業務を担当されているのでしょうか?

    アビームコンサルティング株式会社は総合コンサルティングファームで、さまざまな業界の経営改革、業務改革、マーケティング改革、IT導入など幅広い業務を支援しています。その中で私はSports & Entertainmentセクターに所属しており、スポーツ産業とエンターテインメント産業を中心に活動しています。

    スポーツ領域では、プロスポーツチーム・リーグ・団体などのコンテンツホルダーや行政に加え、私たちは「スポーツ推進企業」と呼んでいるのですが、スポーツを通じて企業価値を高めたいと考えられている企業とご一緒させていただき、新規ビジネスの構想策定やFeasibility Study(実現可能性調査)などの支援もしています。

    ———だいたい何社ぐらい担当するのでしょうか?

    マネージャー以上だと数社を掛け持ちすることもありますが、若いメンバーは1社に専念することが多いです。

    ———担当されている企業とはどんな取り組みをしているのでしょうか?

    コンサルティングというと、戦略を作り報告書を提出して終わり、というイメージがありますが、私は可能な限りハンズオン型(コンサルティングを行う企業の経営に深く関わること)で実行まで支援すべきだと思っています。

    最近では、コンサルティングから一歩踏みこみ、資本業務提携という形で一緒に事業を行う形態も増えています。例えば、資本業務提携をしているスポーツアプリベンチャーの株式会社スポカレに対しては、ヒューマンリソースも含めてサポートしています。スポカレの「スポーツの視聴・観戦を増やす」というミッション実現のため、ビジネスモデルを策定し、アプリダウンロード数を増やして収益を上げつつ、集めたデータの活用法についてなどをスポカレのメンバーと一緒に議論し推進しています。

    出向ではないのですが、このような形がアビームが得意としているところであり、私自身の仕事のスタイルでもあるため、できるだけ現場に入りこむ形で関わらせていただいています。

    現場に入りこんで状況を把握し、適切な戦略を立ててアプローチしていく[写真]兼子愼一郎

    大手企業で力不足を痛感

    ———独立行政法人日本スポーツ振興センターが運営するスポーツくじ『toto/BIG』に関連した業務も担当されているとうかがいました。

    アビーム全体で見ても大きな取り組みの一つで、長くご支援をさせていただいています。こちらもハンズオン型で、経営企画とシステム企画を支援させていただき、かなり密に連携させていただいています。経営企画は事業戦略の策定からマーケティングプランへの落としこみ、消費者調査や販売チャネルの展開などに関わっています。

    システム企画はクライアントサイドのPMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス/企業の各プロジェクトの支援を横断的に行う部門)という形で、ITベンダーさまのコントロールなどを担当しています。

    ———これまで関わった施策で具体的にお話しいただけるものはありますか?

    BIG関連では、2019年春から放送している石田ゆり子さんご出演のCMは、広告代理店の皆さまと一緒に企画段階からお手伝いさせていただいています。それと2020年2月に発売された、日本くじ史上最高額となる1等最高12億円(キャリーオーバー発生時)の『MEGA BIG』にも関わらせていただきました。

    ———アビームコンサルティングに転職するまで、どういうキャリアを歩んできたのでしょうか?

    2006年に新卒で化粧品会社に入社しました。最初はトイレタリー営業で、シャンプーなどのトイレタリー商品を卸店・小売店に販売していました。それから国際部門に異動してグローバルの広報戦略の策定、次にアメリカの現地法人の担当をしました。

    しかし、アメリカの社員や本社にいる転職者と仕事をする中で自分の力不足を感じたんです。そういう人たちと対等に仕事ができるようになれないのではないかと思い、思いきって外へ出ようと。それでコンサルティング業界を志望し31歳のときにアビームに転職しました。

    ———アビームではどのような業務を担当されてきたのでしょうか?

    最初はCRMセクターに所属し、投資対効果算定、業務改革支援、消費者調査、マーケティングソリューションの開発などさまざまなプロジェクトに携わってきました。そうした中で日本スポーツ振興センターさまとご一緒させていただき、それがきっかけとなって2年半前に今の部署に異動してきました。

    ———もともとスポーツに関心はあったのですか?

    そうですね。小中高とサッカーをしていて、大学時代もサークルに入っていました。サッカーは今もやっていて都リーグの4部でプレーしています。

    大手化粧品会社で実績を重ね、コンサルティング業を志望して転職[写真]兼子愼一郎

    粘り強さとコミュ力が必要

    ———コンサルティング業の醍醐味は?

    プロジェクトベースで動くので、目的が明確になっていることが多く、期間内でその目的を実現していくことは個人的に好きなところですね。それとコンサルタントは問題解決が主な仕事で、それを第三者として実行していく難易度の高い業務なので、そこに魅力を感じます。無計画なことができないですし、しっかり戦略を立てて人を動かしていく、というのはこの仕事の醍醐味かなと思います。

    ———この業界で働く上で必要なスキルは何だと思いますか?

    問題解決に対する粘り強い姿勢が必要だと思います。それとクライアントとの仕事なので、コミュニケーション能力は重要だと思います。

    ———これから取り組んでいきたい業務や競技はありますか?

    個人的な思いとして、スポーツ産業を、投資を呼びこめる業界にしていきたいです。労働環境を改善し、給与を上げ、スポーツチームやスポーツ関連企業が一番人気の職業になるぐらいに変えていければと思います。

    ただそれはスポーツチームの努力だけでは成り立たず、スポーツを取り巻くすべての方々に参加していただくことが重要で、私自身はスポーツ推進企業に積極的に参加していただくサポートをしていきたいと思っています。

    そのためにも、コンテンツホルダー(コンテンツの諸権利を保有する者、団体)であるスポーツチームとコミュニケーションを取り、投資を呼びこんでいく体制を整えていきたいと考えています。変革期である今こそ、スポーツ産業にコンサルティングが必要だと思います。

    ———その考えはもともと持っていたのですか?

    いえ、なかったです。コンサルタントとして働き、スポーツの仕事に関わるチャンスがあり、そう考えるようになりました。実際現場に行ってみるとスポーツの力はすさまじいなと。行政やパートナー企業を巻きこむ力など、スポーツにしかできないことがたくさんあるなと感じました。それとスタジアムの臨場感も特別で、それらに魅力を感じ、業界を盛りあげていきたいと考えるようになりました。

    ———「自分の力不足を感じて」転職を決意されたとのことですが、実際に転職して思い描いた方向に進んでいますか?

    はい。転職した当初は、ある課題に対してどうやって取り組むかという答えがなかなか見えてこなかったのですが、難易度の高い課題に繰り返しチャレンジすることで、今はどうやって進むと解決できるのかが、ある程度描けるようになってきました。

    それができると、ゴールへのアプローチが組めるようになる。アプローチが決まれば、どんな人が必要で、どういうタイミングで行えばいいかが分かり、周りの協力を得やすくなります。事業の進め方が分かり、そういう意味でも自信がついてきました。

    課題解決や事業への取り組み方を学び、さらなるステップアップを誓う[写真]兼子愼一郎

    interview & text:dodaSPORTS編集部
    photo:兼子愼一郎

    ※人物の所属および掲載内容は取材当時のものです。

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