dodaのスポーツ求人

フットボール界のトップ3ブランドへ

髙木 莉代さん

株式会社ニューバランスジャパン マーケティング部 GTMマーケティング ゲームチェンジャーグループ スペシャリスト/FOP

フットボール(サッカー)、野球、テニスなどさまざまな競技をカバーし、フットボールではプロから部活生(中学、高校の運動部に所属する生徒)までのマーケティングを担当。大会運営や選手取材のため全国を飛び回る髙木さんは、スポーツブランドを熟知するマーケターでありながら、プライベートでは3児の母でもある。マルチタスクをこなすスーパーウーマンだ。

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    髙木さんは主に部活生を対象としたマーケティングを担当[写真]兼子愼一郎

    他メーカーから転職

    ———現在の職務内容を教えてください。

    「GTMマーケティング」という新しくできた部署に所属していて、「ゲームチェンジャーグループ」というのは大まかにいうと部活生を対象に、競技ではフットボール(サッカー)、野球、テニスを担当しています。今はゴルフもほかの担当者に引き継いでいる段階です。各カテゴリーの販促プランの立案から実行までを主に担当し、メディア対応などもしています。

    部活生を対象としたグラスルーツ活動(グラスルーツは「草の根」。プロではない層への普及を指す)に関わっているのでグラウンドの上にいる時間も長く、今年の夏は延べ14日間ぐらい、御殿場の時之栖グラウンドにいました(笑)。

    ———『ニューバランス』に入社されたのはいつごろですか?

    2016年1月に入社したので、丸3年が経とうとしているところです。入社以来ずっと今と同じ業務を担当しています。

    ———ニューバランスに入社されるまではどのようなキャリアを歩んでこられたのでしょうか?

    大学卒業後、ほかのスポーツメーカーで10年ほど勤務しました。そのころは営業や店頭の販促をするインストアマーケティングの部署にいました。勤続10年のタイミングで今後についていろいろ考えたのですが、大学で体育会サッカー部に所属し、スポーツを専攻していたこともあって、スポーツ業界から離れたくないと思っていました。その時に、同じくスポーツメーカーからニューバランスに転職をした先輩に話をうかがって、転職することにしました。

    ———新卒からスポーツメーカーで勤務されているということですが、スポーツ業界への挑戦を決めた理由は?

    大学に入学したころはトレーナーになりたいと思っていたんですけど、スポーツマネジメントを専攻して勉強しているうちにマーケティングに興味が湧いてきて、卒業後はそういった分野に携わりたいと思うようになりました。

    ———実際にスポーツメーカーに就職されて、大学時代に思い描いていたイメージと違って驚いたことはありますか?

    最初の4年間は営業だったので、イメージと違うことだらけでした(笑)。もっと華やかで、選手と交流があるような世界を想像していたんですが、実際は「今月はいくら売らなければならない」といった現実的な話ばかりで、「イメージと違うんだな」と最初は思い知らされました。

    ただ、営業は店舗の隅々まで見ることができて、何が求められるのかが一番分かる部署だと思うので、今となっては新卒で営業をやらせていただいて良かったな、と思いますし、今の業務に活きていると思います。

    今夏、時之栖で開催したニューバランス チャンピオンシップU-16/2018[写真]ニューバランス ジャパン

    選手の真剣さに感動

    ———今の業務の中で、一番やりがいを感じるところは?

    前職に比べて会社の規模もブランドの規模も小さいので、自分に決定権があり、責任があり、最後までやり遂げられる仕事が多いんですよ。ニューバランスは私が入社した2016年にフットボールに本格参入して、野球はその1年前、ゴルフも入社後に始まったカテゴリーなので、立ちあげから関わることができました。

    マーケティング部門は私だけなので、自分に全責任があるというところにはすごくやりがいを感じます。グラウンドで子どもたちとじかに接してプランニングに活かすこともできますし、いろいろ考えながら取り組めています。

    ———現場に出られることも多いようですが、印象的なエピソードはありますか?

    ニューバランスが主催する育成年代のフットボールの大会があって、公式戦ではなくフェスティバルのような位置づけの大会なんですが、子どもたちは私たち大人が想像している以上に一生懸命プレーしてくれますし、大声を出したり、涙を流したりする姿を見ていると、「この子たちに届けられるものを作りたい」という気持ちになります。

    ———業務を通じて、感動した瞬間などはありますか?

    主催大会の参加者たちが真剣に戦ってくれて、決勝で負けて悔し涙を流す姿を見ると、「自分たちの大会でこんなに一生懸命やってくれるんだ」と感動しますね。

    その大会は小学生と中学1年生、高校1年生を対象としているんですけど、第1回大会に高校1年で出場してMVPに選出された青森山田高校の檀崎竜孔(だんざき・りく)選手が、その年の冬の全国高等学校サッカー選手権大会でベンチ入りして、高校3年生の時にはレギュラーになって、先日プロ入り(北海道コンサドーレ札幌)が決まって。

    わが子の成長を見ているような感覚になりましたし、今後、大会を続けていけば、小学生の時に出場した選手が大会を経て成長していく姿を見ていけるのではないかと、楽しみが広がります。

    ———では逆に、大変だった業務はありますか?

    私の担当する業務はグラスルーツをメインにしているものなのですが、それには理由があります。ニューバランスは後発のメーカーで、契約選手の顔触れや人数で競合メーカーにはかなわない部分があるので、あえて部活生たちに直接アプローチする戦略を採っているんです。

    でも、大会を主催しても、その翌日にスパイクが何百足も売れるわけではなく、一方で会社からは費用対効果を求められます。大会を主催することで認知度は上がり、ニューバランスのユニホームを着用するチームも増えてきているんですけど、一番売りたいスパイクの売り上げには直結はしません。活動と実際の売り上げがリンクできていないので、そこは悩みながら取り組んでいるところですね。

    ———確かに、高校サッカー部は最近、ニューバランスのユニホームを着用するチームが増えている印象があります。

    プロの契約選手もいるのですが、表立ってアピールするよりも、部活生に直接アプローチすることを優先しています。彼らがいつか競技をやめて自分のキャリアを振り返った時に「ニューバランスっていつも自分のそばにあったな」と思ってもらうための活動をしています。

    我々の部署名にある「ゲームチェンジャー」というのは「17歳男子高校生」という設定にしていて、一般レベル、強豪レベルを問わず、週6回ぐらい真面目に部活に取り組んでいる子が人物像になっています。状況をガラリと変えられるスーパースターではないんだけど、チームに不可欠な存在、という定義をしており、そういった子たちに向けて活動をしています。

    ———ニューバランスが目指すところと重なる部分があるような気がします。

    私が担当している新しいカテゴリーについては、「部活生たちと一緒に成長していくブランド」というメッセージを打ち出しています。ニューバランスを“自分事”にしてもらおうと思いながら取り組んでいます。

    部活生の成長は「わが子の成長を見ているような感覚」[写真]兼子愼一郎

    ママに優しい会社

    ———学生時代、前職時代の経験で活かされていることはありますか?

    前職で営業をしていた時に感じたのですが、体育会出身なのでメンタルでは誰にも負けない自信がありますし、打たれ強さも持っています。スポーツに対する情熱も、自分に染みついている部分だと思います。

    ———ニューバランスと契約しているプロ選手やトップアスリートと関わることもあるのでしょうか?

    たとえばフットボールの新しいスパイクが出るタイミングなどには、そのスパイクを着用している選手を訪ねて取材させていただく機会があります。先日も、サンフレッチェ広島の松本泰志選手が『442』というスパイクを着用しているので、広島に行ってイベントを開催して取材をしましたし、その前は女子プロゴルフの青木瀬令奈プロがニューバランスのシューズを履いてくれているので、取材に行きました。

    また、11月8日から日米野球が開催されますが、MLBでニューバランスと契約している選手が7人来日するので、取材する予定になっています。実際に選手と関わる機会は多いですし、いろいろなカテゴリーの選手に会って話ができるので楽しいです。

    ———日によって違うと思いますが、1日のスケジュールを教えていただけますか?

    普段は出社してメールチェックをして、打ち合わせをして、選手の取材等が入っていれば現場に出ます。私は子どもが3人いるので、定時の17時45分には終業して帰宅することが多いですね。もちろん終日、社外に出ている日もありますし、1時間程度の打ち合わせのために日帰りで大阪などに行くこともあります。

    週末に主催のイベントがある時などは子どもを親に預けることもあるんですが、ニューバランスは社員の男女比率が半々ぐらいで比較的女性が多く、働くママさんに優しい会社なんですよ。「お母ちゃん会」があったり、ベビーシッター制度があったり、在宅業務ができたりするので、助かっています。もちろん週末に出勤した際には代休を取得しますし、ワーク・ライフ・バランスは取れていますね。

    11月の日米野球で来日した契約選手の取材を担当した[写真]ニューバランス ジャパン

    トップ3になるために

    ———さまざまなスポーツに新規参入したばかりで、チャレンジすることばかりだと思いますが、今後、特に意欲的に取り組んでみたいことはありますか?

    将来的にトップ3のフットボールブランドになるという目標を立てているのですが、まだほかのメーカーにできていて、ニューバランスにできていないことがたくさんあります。グラスルーツ活動を重視しているとはいえ、やはり契約選手の影響は大きいと思うので、少しずつ開拓できればいいなと思っています。

    主催大会も全国規模のものになっているんですが、今後は予選を増やして、参加できるチームを増やしてもっと認知度を高めていきたいと思っています。スポーツマーケティングの分野とグラスルーツをもっと拡大していきたいですね。

    ———この仕事における個人としての夢や目標はありますか?

    フットボールは立ちあげから関わっているので、トップ3になるまで見届けたいのと、マーケターとしてプロフェッショナルになりたいと思っているので、今の自分に足りていない、デジタル分野などのスキルをもう少し上げていきたいと思っています。

    ———お一人で複数の業務をこなしているということなので一緒に働くスタッフも欲しいと思いますが、どんな方と一緒に働きたいですか?

    スポーツに情熱を持っている方と一緒に働きたいですね。スポーツカテゴリーに本格参入したのが数年前なので、スポーツマインドを持って、情熱を持っている人が増えると、社内ももっと盛り上がってくるかな、という気がしています。

    自分と同じ「スポーツに情熱を持っている方と一緒に働きたい」[写真]兼子愼一郎

    interview & text:dodaSPORTS編集部
    photo:兼子愼一郎

    ※人物の所属および掲載内容は取材当時のものです。

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