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選手ファーストの希望のあるリーグを

友永 雅之さん

株式会社Tマーケティング イベント事業部 マネージャー

2018年10月24、25日開幕の卓球のTリーグ。会場の運営や設営、物販、チケット販売などの事業全般を担当しているイベント事業部の友永雅之さんは、大学を卒業するまでの十数年間、ラグビー選手として日々汗を流した。そこで培った物事をポジティブに捉える意識や、前職のアパレル会社で養った察知力や柔軟性を武器に、卓球の魅力を伝えるべく日々奮闘している。

Index

    アパレル業界で10年以上キャリアを重ねスポーツ業界へ[写真]新井賢一

    スポーツに恩返しを

    ———Tリーグで働く以前は、どのようなお仕事をされていたのですか?

    大学卒業後はミセスの洋服を扱う専門商社に3年間勤めました。この会社では主に営業を担当し、デパートのバイヤーや売り場担当のマネジャーと相談をして商品を仕入れ、展開していくというような仕事をしていました。

    その後、もう少し自分の感覚と合う仕事がしたいと思い、同業他社へ転職しました。最初は営業も行っていたのですが、8年ほど前からは器や家具などインテリアを扱う新規事業に携わることになりました。洋服をメインにしている会社なので、最初は違う事業に関わることに少し抵抗もありましたが、周りのスタッフの新規事業に対する思いも感じられましたし、何よりもう“やるっきゃないでしょ”という気持ちで(笑)。ポジティブに捉えて働いていました。

    ———アパレル関係の仕事でキャリアを積む中で、なぜスポーツ業界へと方向転換したのですか?

    仕事はとても順調で楽しかったですし、物事も進めやすかったので仕事そのものや会社に対しては何も不満はありませんでした。ただ実は、小学5年生の長男がラグビーを習っているのですが、その関係もあって、今、地域のラグビースクールでコーチをしているのです。

    大学卒業後はスポーツから離れ、かねて興味を持っていたアパレル会社へ就職しましたが、そうしたラグビーコーチの活動などを通して、あらためて、スポーツの素晴らしさを痛感しました。さらに、選手を取り巻く環境を少しでも良くしたいという気持ちを抱くようになったのも、スポーツ業界へ飛びこもうと考えた一つの理由です。

    少し大げさかもしれませんが、自分が小学校から大学まで、長い間お世話になったスポーツに恩返しがしたいという思いもありましたね。

    ———スポーツ業界への転身を前提に、まずはどのようなアクションを起こしたのでしょうか?

    自分が何をやるべきかをいろいろと考えて整理し、Jリーグが経営人材を育てるために設立したスポーツヒューマンキャピタルの存在を知り、まずは受講することにしました。そこで縁があってTリーグで働くことになったのです。

    「これまでの卓球界では考えられないことを企画する」[写真]新井賢一

    Tリーグに感じた可能性

    ———Tリーグで働くまで卓球を見ることはありましたか?

    卓球はオリンピック種目でもありますし、Tリーグの理事を務める福原愛さんの存在や一般的な情報はもちろん知っていました。全く興味がないとか見ないというわけではありませんでしたね。

    ———そもそもTリーグはどういう経緯で立ちあげられたのでしょうか?

    2010年前後の日本の卓球は、オリンピックでまだメダルには届きませんでした。そこで、世界のトップになるためには、プロリーグが必要なのではないかという議論が始まり、自国のリーグで育成を強化し、卓球界全体を盛り上げるプロジェクトが立ちあがりました。2016年には日本卓球協会でTリーグ設立が承認され、翌年に一般社団法人Tリーグが設立されたのです。

    ———新リーグを立ちあげるまで苦労された点は?

    例えば、試合の際に卓球台を1台しか置かないとか、試合会場の演出に趣向をこらすとか、あらゆる面でこれまでの卓球界の概念では考えられないようなことを企画してきました。そういった意味では、私たちが新しい文化を作っていく形でしたので、いろいろ試行錯誤した部分は多かったですね。

    ただ、今までの卓球にはなかった新しいものを築きつつあると思いますし、もしかしたら、私たちの発信で世界の卓球にも影響を与えることができると思っています。今はまず、皆さんに「面白いね」と感じてもらえるよう、知恵を出しながらがんばっています。

    ———Tリーグのどういった点に魅力を感じて、ここで働きたいという思いに至ったのでしょうか?

    まさに、新しく立ちあげたTリーグという組織に大きな可能性を感じからですね。まったく「0」の状態のものを「1」にするのは、確かに簡単なことではありませんが、一方で、誰もができる経験ではありません。めったにないチャンスをぜひ活かしたいという気持ちが何よりも強かったです。

    イベント事業部には大きく分けて3つのミッションがある[写真]新井賢一

    同じベクトルで進むが……

    ———現在、どんなお仕事をされているのでしょうか?

    私が所属しているイベント事業部は興行全般を担う部署で、競技を行うための運営や設営関係の整備、物販、チケッティング、大きく分けてこの3つがミッションとなっています。

    私はそれぞれの担当がスムーズに業務をこなせるように調整する役割ですね。チームとしてどのように動くことができるかということを意識しながら、各担当からこぼれそうな仕事をすくいあげることを心掛けていますし、大きなやりがいでもあります。

    ただ、一つ漏れていることに気が付くと、「あ、これもやらなきゃいけない」と、次々に判明することが多々あって(苦笑)。それで日々の業務に忙殺されがちになり、チームの方々の思いや何を求めているか、そして、私たちが何をすべきかを見つめ直すということが抜け落ちていたことがありましたが、それに最近気付かされることが多かったです。

    ———前職とはまったく異なる業種に足を踏み入れて、驚いたことはありましたか?

    一緒に働いているスタッフが、みんな卓球界を良くしたいという思いを強く持っているところです。それは本当に良いことだなと思います。ただ、まだ立ちあがったばかりで明確なルールがないことは今後の課題とも言えます。

    また、同じベクトルで進んではいるのだけど、この先どうあるべきか言語化されたものがない。Tリーグとは何なのかというところを、もう少し構築していく必要性があると感じています。

    ———今の仕事に求められるスキルはどんなことだと感じていますか?

    この2、3カ月の間に多くの初対面の方々とお会いする機会がありましたが、しっかりと自分の意見を主張しつつも、相手の気持ちをくんだり、捉えることが非常に重要だと感じました。実行力と協調性があり、しっかりと落としどころを見つけられる人は、この業界に限らず、求められる人材なのではないかと思います。

    2018年8月2日の記者会見には、各チームの選手が参加[写真]Tリーグ

    希望のあるリーグに

    ———大学卒業まで十数年間にわたってラグビーを続けてきた経験や前職での経験で、今に活かされていることは?

    前職では新規事業の立ちあげに携わりましたが、当初はスタッフが3人のみ。何でも自分たちでやるということがベースにありました。その後、次第に人が増えていくと今度は自分自身でもやりながら、部下のやりがいという面も考えなければいけませんでした。

    現在は自分の役割を察知して臨機応変に対応していますが、柔軟に役割を変えていくことは、現在の職業でも重要な部分ですし、過去の経験が活かされていると感じています。

    ———スポーツ業界に求められる人材とは?

    スポーツ業界は多忙で、その業務内容も多岐にわたっていて大変だと感じることも多い仕事です。ただ、その分、返ってくるものもすごく大きい。それを信じて何事にも前向きに取り組める人こそ、今、求められていると私は考えています。

    ———ご自身の現在の仕事における夢や目標は?

    個人的な考えですが、私は常に選手ファーストでありたいと考えています。それは自分自身が長くプレーヤーとしてラグビーというスポーツに関わってきたことも関係していると思います。選手が安心して臨める、夢がある、そういう希望のあるリーグに成長させていきたい。それを実現することが、今の私のモチベーションであり、目標ですね。

    スポーツ業界に必要なのは「何事にも前向きに取り組める人」[写真]新井賢一

    interview & text:dodaSPORTS編集部
    photo:新井賢一

    ※人物の所属および掲載内容は取材当時のものです。

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